【小話:その6】
子どもの頃。大人同士が話している話題に首をつっこんでみたくなることがある。あれは今思えば,おじが母となにか社会の情勢とか経済の出来事だったかを話していたときだったのだろう。

「おじさん,その“こくさい”ってなんのこと?。」

おじさんはやや考えるとにやにやしながら,
「“こくさい”か。それはね。
“こ・くさい”っていって,
“すこし臭い”ことだよ。」

私は,ムッとした。
この答えは,たぶんおかしい。へんだ。
きっとウソにちがいないと察した。
それ以来,大人の話題らしきものに首をつっこむときは,用心してかかるべしと肝に銘じる。
さて,自分が大人になってみると,これがまあ,「大人には大人の話ってものがあるんだから,子どもはちょっとその辺で待っててよ」となる。大人だけで会話がしたいときもあるんだなあと知るのだ。(記:2005年3月10日)

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