2017年7月15日土曜日

へそくりの思いっきりブルーな結末



4月のとある日。あろうことか、だいじにだいじにしまっておいた全財産がインクにまみれてしまっていた。
 どうやらしまっておいた場所がちょうどスタンプ台の近くで、そのスタンプ台の間にはさまっていたメモ紙にインクがしみこみ、さらに近くにあったお札にもインクがうつってしまったらしい。ほほう、これが毛細管現象ってやつかしらねえ。

いや、感心してる場合ではあるまい。えらいこっちゃ。どうするよ。ティッシュペーパーでふいてみたが、ペーパーには多少染みこむものの、ギラッとしたインクの青色はいっこうに消える気配はなし。
そうだ、こういう場合、たしか銀行に行けば新しいお札に替えてるくれるんじゃなかったっけ? よし、銀行へ急げ。
 銀行ではまず、通帳かカードをお持ちでないかと聞かれた。汚れたお札はその場で交換するのではなく、「いったん銀行が預かり、その後日銀に行って鑑定され、問題がなければお客様の通帳に入れる」というのである。


いやん、そんなあ、今日はそんなの持ってきてなかったし。仕方がない、家に戻って取ってくるしかあるまい。だが、今日はこのあと出かけるからまた明日にするか。
おっと、帰り際、窓口の行員さんに注意される。汚れたお札をサランラップで包んで持って行ったわけだが、3枚一緒に包まず、1枚ずつ包んでくるようにとのこと。数えるのに手間取るからだそうです。なるほど、お取り扱いの際にお手が汚れますものねえ。以後気をつけます。


 翌日、カードを持って銀行へ。だがしかし、カードじゃだめだった。「通帳でないとできません」だって。ええっ、そうなの。昨日伺ったときはカードとも言ってくれてたんだけど、あれは行員さんもあわててまちがえていたんでしょう。
かくして、再び家へ戻って通帳をにぎりしめてくる。
こうしてようやっと手にしたのが、「損傷通貨鑑定引換預り証」でございました。


届けたお金は、約2週間から1ヶ月の間に、わが口座に振り込まれるそうな。えーーーっ、それまでどうやって食いつなごう、とぞ思ふ。
なお、「この預証は全額を保証するものではありません」とのお言葉もいただきました。偽札だとか、損傷しすぎて鑑定できないとなったら戻ってこないのだそうです。うえーん、なけなしのお小遣いなのにぃ。
この日、わたくしは固く誓ったのであります。「へそくりはビニールかジップロックに入れておくべし」と。
さて、インク漬けになったお金はその後、通帳に戻ってくるかしらん?
(その25/記:2015年6月5日)

【後日談】
約3ヶ月後、無事3万円が口座に振り込まれておりました。は~、それまでの長かったこと。生きた心地がしませんでしたわ。

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